2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

sentiment

西への出口 (新潮クレスト・ブックス) 作者:ハミッド,モーシン 発売日: 2019/12/24 メディア: 単行本 物語の舞台は、アラビア半島を思わせるどこか、とはいってもその特定作業がさしたる意味を持つことはおそらくない。なぜならば主人公カップルには携帯電話…

祭りのあと

芝園団地に住んでいます : 住民の半分が外国人になったとき何が起きるか 作者:大島 隆 発売日: 2019/10/04 メディア: 単行本(ソフトカバー) 埼玉県川口市は芝園団地、かつて大友克洋『童夢』のモデルとなったことでも知られる。新築当初は抽選を要するほど…

踊る大捜査線

1995年 (ちくま新書) 作者:速水健朗 発売日: 2015/05/22 メディア: Kindle版 1995年。この年が、阪神・淡路大震災が起きた年であり、オウム真理教による地下鉄サリン事件の年であるということは誰もが知っている。1995年は、主にこの日本戦後史における…

ジャイアント・キリング

ミケランジェロ・ブオナローティの生涯 (Artist by Artist) 作者:ヴァザーリ,ジョルジョ 発売日: 2020/07/06 メディア: 単行本 勤勉で、おおいなる才能を持つ芸術家たちがいた。彼らはジョットとその後継者たちのまばゆい光を浴びながら、幸運の星、そして均…

味覚の生理学

お茶の科学 「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ (ブルーバックス) 作者:大森 正司 発売日: 2017/05/17 メディア: 新書 「お茶」とは、日本人にとって、とてもなじみ深い飲み物です。緑茶だけでなく、ほうじ茶や紅茶、ウーロン茶など、日に一度は口にす…

セロリ

転がる香港に苔は生えない (文春文庫) 作者:星野博美 発売日: 2015/07/17 メディア: Kindle版 交換留学生としてかつて暮らしたその街に改めて舞い降りる。「返還まであと1年。そろそろ香港に戻る頃だろうと思った。……資本主義路線を歩みながら、国家としては…

listen to the scientists

ウイルス・ハンター アメリカCDCの挑戦と死闘 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者:エド・レジス 発売日: 2020/07/22 メディア: 文庫 CDC(疾病予防センター)のそもそものはじまりは1942年、「米国南部の地域でのマラリア防御を唯一の目的」として発足し…

はりぼて

保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで (中公新書) 作者:宇野重規 発売日: 2019/11/08 メディア: Kindle版 保守主義とは、それ自体として一個の一貫した理論的体系であるというよりは、フランス革命や社会主義革命、あるいは福祉国家による大きな…

なぜ君は立法府議員になれないのか

言論の不自由: 香港、そしてグローバル民主主義にいま何が起こっているのか 作者:ジョシュア・ウォン,ジェイソン・Y・ゴー 発売日: 2020/08/12 メディア: 単行本 2017年8月、香港の街に焼けつくような日差しが降り注ぎ、大学生たちが夏のアルバイトを切り上…

コモン・センス

大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実 (光文社新書) 作者:仲村和代,藤田さつき 発売日: 2019/04/16 メディア: 新書 第1部は、アパレル業界の話。流行のデザインを安い価格で提供するファストファッションが定着し、安くおしゃれを楽しめるようにな…

「酒をのめ、それこそ永遠の生命だ」

イスラム飲酒紀行 (SPA!BOOKS) 作者:高野 秀行 発売日: 2012/09/01 メディア: Kindle版 私は酒飲みである。休肝日はまだない。 本格的に酒を飲み出したのは意外に遅く、三十歳を過ぎてから。ゴールデントライアングルの核心部で取材中、うっかりア…

過冷却

民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代 (中公新書) 作者:藤野 裕子 発売日: 2020/08/20 メディア: 新書 凝固点の0度を下回っているはずなのに液体の状態を保ったままのペットボトル内の水が、わずかな衝撃を与えるだけで瞬く間に氷へと変わる、そんな映像を目…

Do It Yourself

ハウスワイフ2.0 作者:エミリー・マッチャー 発売日: 2014/02/21 メディア: Kindle版 “わが家がいちばん。女の城は台所”――いま、まさにそんな現象が起きている。といっても、そういうことを誰もが言いだしたのは、これがはじめてではない。1950年代には“幸せ…