2026-07-01から1ヶ月間の記事一覧
遺された者たちへ (新潮クレスト・ブックス) 作者:マッテオ・B・ビアンキ 新潮社 Amazon 忘却と鮮やかな記憶とで織りなされた、秩序もつながりも存在しないこの破れたタペストリーでは、最終的な模様が完成されることはないが、悲劇の起こった日にまつわる…
「ほどほど」にできない子どもたち 達成中毒 作者:ジェニファー ウォレス 早川書房 Amazon 成績優秀な生徒の幸福度について心配するのは気がひけるだけでなく、馬鹿げているようにすら思える。なにしろ優秀な生徒の多くは住む場所や医療の不安もなく、悩みを…
ルポ 軍事優先社会──暮らしの中の「戦争準備」 (岩波新書 新赤版 2053) 作者:吉田 敏浩 岩波書店 Amazon 有事=戦争が起きれば、基地も弾薬庫も、軍民共用化された空港も港も、真っ先に攻撃目標とされる。地域住民も深刻な戦禍を被る。犠牲を強いられる。自…
アルツハイマー病研究、失敗の構造 作者:カール・ヘラップ みすず書房 Amazon 私は本書を執筆するための準備段階で大勢の専門家から話を聞いた。その際にはかならず同じ質問でインタビューの口火を切った。「アルツハイマー病とは何かをご自身の言葉で説明し…
歩くという哲学 作者:フレデリック・グロ 山と溪谷社 Amazon 歩くということは、外にいるということだ。外、つまりは「屋外」にいるということ。歩くことは、都市生活者にとってのロジック、ひいては人類にとってのもっとも一般的な条件を逆転させるのだ。 …
スイマーズ (新潮クレスト・ブックス) 作者:ジュリー・オオツカ 新潮社 Amazon プールは地下深く、この街の通りから何フィートも下の、広大な洞窟のような空間に位置している。わたしたちのなかには、体を傷めて、それを癒すためにここへ来ている人がいる。…
身体の美学入門 感性から捉えなおす人間の本質 (中公新書) 作者:伊藤亜紗 中央公論新社 Amazon 本書は、身体をめぐる感性の本です。 想定しているのは、「他者の身体」です。つまり、他者の身体――そこには顔かたちだけでなく、ふるまいやしゃべり方、におい…
観光を忘れた日本 (講談社現代新書) 作者:山口誠 講談社 Amazon 2024年、日本観光振興協会が全国の2万人へ「海外旅行の意向」を尋ねたところ、海外旅行を「したい」と回答した人は21.5%、「したいけど、できない」人は27.8%だった。これに対して、「したくな…
摂食障害モデル 165センチ、32キロだったわたしへ 作者:関あいか 彩図社 Amazon ゲロの吐き方は、大きく分けて3種類ある。 口に指を突っ込む「指吐き」と、お腹の力を使う「腹筋吐き」、そしてチューブを直接胃の中に突っ込む「チューブ吐き」だ。 指とチュ…
死刑囚最後の日 (光文社古典新訳文庫) 作者:ユゴー 光文社 Amazon 表題作、「死刑囚最後の日」。 「私」は既に裁判によって死刑判決を受け、あとは執行を待つだけの身。その独房にあってどうしたわけか、「当局側はずいぶん躊躇した末に、私にインクと、紙と…