2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧
留守の家から犬が降ってきた ―心の病にかかった動物たちが教えてくれたこと― 作者:ローレル・ブライトマン 青土社 Amazon 生活をいっそう困難にし、悲しいことに、ときには生きていくことさえできなくなるような激しい感情の嵐に苦しむ動物は人間だけではな…
エラー 作者:山下紘加 河出書房新社 Amazon 主人公の一果はフードファイター、テレビ番組「真の大食い王者は誰だ?!」では4連覇を達成し、チャンピオンの座に君臨している。陽の目こそ見なかったものの元グラドルというルックスと上品な食べ方から「大食いク…
最悪の予感 パンデミックとの戦い 作者:マイケル ルイス 早川書房 Amazon 本書の出発点は、あまり褒められたものではなく、なかば義務感、なかば日和見主義だった。トランプ政権の前半、わたしは『The Fifth Risk(第五のリスク)』という本を書いた。その中…
わたしたちに許された特別な時間の終わり (新潮文庫) 作者:利規, 岡田 新潮社 Amazon この話は2003年の3月某日、「アメリカがイラクへの攻撃を開始する、数日前」に始まり、その5日後に終る。 本書所収の「三月の5日間」について語るその前に、「この話は、1…
脱毛の歴史 作者:レベッカ・M・ハージグ 東京堂出版 Amazon 現代のアメリカで、体毛の意識的な除去ほど当たり前と見なされている習慣はない……最近の研究によると、アメリカ人女性の99パーセントはみずからの意思で脱毛している。定期的に脱毛している人は85…
爆弾 作者:呉勝浩 講談社 Amazon それは野放しのハードドラッグがもたらす、ごくありふれた日常の一コマ。風采の上がらない中年男が、贔屓の野球チームが見どころなく敗れた腹いせに自棄酒を煽り、酔いに任せて自販機を蹴りつけ、さらに止めに入った店員を殴…
ゴーストランド: 幽霊のいるアメリカ史 作者:コリン・ディッキー 国書刊行会 Amazon これは、幽霊に関する主張の真偽について語る本ではない。……どれだけ多くの証拠があろうと、幽霊に懐疑的な人を納得させることはできないし、懐疑論者がどれだけ多くの虚偽…
猪木と馬場 (集英社新書) 作者:斎藤文彦 集英社 Amazon ぼくたちは“宿命のライバル”というフレーズが大好きだ。ここでいうぼくたちとは、戦後から高度経済成長期育ちの昭和のキッズだった“ぼくたち世代”のことだ。…… 馬場と猪木のライバル・ストーリーは、同…
餓死した英霊たち (ちくま学芸文庫) 作者:彰, 藤原 筑摩書房 Amazon 第二次世界大戦(日本にとってはアジア太平洋戦争)において、日本人の戦没者数は310万人、その中で軍人軍属の死者数は230万人とされている。…… この戦争で特徴的なことは、日本軍の戦没者…
ジュリアン・バトラーの真実の生涯 作者:川本直 河出書房新社 Amazon ジュリアン・バトラーの名前を知ったのは1995年、15歳の時だ。トルーマン・カポーティとゴア・ヴィダルを耽読していた僕は、二人と並び称されるジュリアン・バトラーという作家を発見した…