2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

動物農場

皮革とブランド 変化するファッション倫理 (岩波新書) 作者:西村 祐子 岩波書店 Amazon ファッションやブランドと「倫理」がどう結びついているのか。なぜ皮革と高級ファッションブランドは抜きがたい関係にあるのか。そしてその関係に21世紀の倫理がどう反…

翼をください

動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー 作者:片野 ゆか 集英社 Amazon 楽しい、嬉しい、気分がいい――。 動物たちがそう感じる環境をつくるためには、彼らの気持ちや本音を理解しなければなりません。もちろん言葉で伝えてくれるわけで…

アメリカズ・ゴット・タレント

進駐軍を笑わせろ!: 米軍慰問の演芸史 作者:青木 深 平凡社 Amazon 「進駐軍慰問」のショー。 こう聞くと、どんな「ショー」が思い浮かぶだろうか。(中略) そのなかで脚光を浴びたのが、しゃべりも物語も必須とせず、体と道具を駆使したパフォーマンスで客…

野心のすすめ

匿名作家は二人もいらない (ハヤカワ・ミステリ文庫 ア 22-1) 作者:アレキサンドラ アンドリューズ 早川書房 Amazon 主人公フローレンス・ダロウは、フロリダの片田舎ポート・オレンジ出身の編集アシスタント。曲がりなりにも大卒の彼女が、低賃金かつ明日を…

哀愁波止場

裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡 (ちくま新書) 作者:八木澤高明 筑摩書房 Amazon 幼い頃から、神奈川県民というよりは、横浜市民という意識が強かったと思う。 小学校の頃から通った横浜スタジアム、そこでプレイする大洋ホエールズの選手たちに憧れた。実…

むかしむかしあるところに

活劇映画と家族 (講談社現代新書) 作者:筒井康隆 講談社 Amazon 「悪」はしばしば魅力的に語られる。これが問題とされるのは映画で魅力的に描かれた悪が、観客に、特に未成年者に悪い影響を与えると一般に言われているからだが、この本では逆に、だからこそ…

unfortunate

切り裂きジャックに殺されたのは誰か: 5人の女性たちの語られざる人生 作者:ハリー・ルーベンホールド 青土社 Amazon 切り裂きジャックは売春婦を殺した、またはそのように信じられてきたが、5人の犠牲者のうち3人に関しては、売春婦だったと示唆する確固た…

それが私の生きる道

それは誠 (文春e-book) 作者:乗代 雄介 文藝春秋 Amazon 修学旅行から帰った翌日のしかも土曜日に学校があるのはどうかと思うけど、僕だって特別な事情がなければ風邪で寝込んでるなんて言い訳せず、ちゃんと登校したはずだ。でも今日だけじゃないんだな。僕…

時間よ、とまれ

2時間ドラマ 40年の軌跡 増補版 作者:大野 茂 東京ニュース通信社 Amazon この本を書こうと思った理由は3つある。1つは長時間ドラマ――いわゆる2時間ドラマの元祖である『土曜ワイド劇場』(テレビ朝日系)が始まってから45年近くが経っている。再放送も含め…

ランニングフリー

孤獨の人 (岩波現代文庫) 作者:藤島 泰輔 岩波書店 Amazon 「爵・金・顔・人・成績」。 貴族制が廃されたはずの戦後においてすら、入学調書で爵位を問わずにはいられない、そしてその格付けに基づいて生徒間のヒエラルキーが決定される。それがこの学校を取…