2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

マネーの虎

不老不死ビジネス 神への挑戦 シリコンバレーの静かなる熱狂 作者:チップ・ウォルター 日経ナショナル ジオグラフィック Amazon 世界ではこれまでもすごいことが起こってきたが、死ほど手ごわい敵がいただろうか。数十億ドルの金が用意されていて、政界や経…

新しい日常

東京の古本屋 作者:橋本倫史 本の雑誌社 Amazon 古本屋と聞いて、どんな姿を思い浮かべるだろう。 一日のほとんどを帳場に腰掛けて過ごし、読書をしながら静かに客を待つ店主の姿だろうか。あるいは、立ち読みをする客がいればハタキをかけ、咳払いの一つで…

黄色い本

増補 本屋になりたい ――この島の本を売る (ちくま文庫) 作者:宇田 智子 筑摩書房 Amazon 古本屋の大変さは、自由さと裏表だ。必ず置かなければいけない本はなく、買い取りたくない本は断ってもいいし、本には好きな値段をつけられる。出版社や取次と交渉する…

仮面舞踏会

##NAME## 作者:児玉雨子 河出書房新社 Amazon 「せつなって、本当にせつな?」 「私」こと石田雪那はジュニアアイドル。事務所に入所する際に母が関係者に促されるまま、ひらがなで契約書に記したのが、「石田せつな」というその芸名だった。 「なん…

愛と沈黙

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン: オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生 (ハヤカワ文庫NF) 作者:デイヴィッド・グラン,David Grann 早川書房 Amazon 1921年5月24日、オセージ族が暮らすオクラホマ州の町グレーホースの住人、モリー・バークハートは、3人い…

時来たりなば

園芸家の一年 (平凡社ライブラリー) 作者:カレル チャペック 平凡社 Amazon 亡くなったわたしの母は、若いころ、よくカードで一人占いをしていたが、そんなときにはいつも、ひと山のカードに向かってささやいた――。 「何をわたしは踏んでいるか?」 その当時…

リバティアイランド

ユートピアとしての本屋:暗闇のなかの確かな場所 作者:関口 竜平 大月書店 Amazon これは本屋を始めてから気がついたことなのですが、どうも本屋はユートピア(を目指すこと)と同じ、ないしは似ている存在のようです。本屋には終わり、あるいは完成形とい…

死せる魂

ウクライナ・ダイアリー 不屈の民の記録 (角川書店単行本) 作者:古川 英治 KADOKAWA Amazon 2022年2月23日午後9時7分、長年のロシアの取材先であるXからメッセージが入った。 「おそらく今晩だ」 私はあわてて返信した。 ――全面侵攻か? 「そうだ。部分的な…

ストリートファイター

ゲーセン戦記 ミカド店長が見たアーケードゲームの半世紀 (中公新書ラクレ) 作者:池田稔 中央公論新社 Amazon たしかにゲームセンターは、時代の流れに逆行した旧世代の遺物だと思われがちだ。 コスパが悪い、最新ゲームがない、マニア向けの商売、空気が悪…

What's the Big Idea?

動物園から未来を変える―ニューヨーク・ブロンクス動物園の展示デザイン 作者:川端裕人,本田公夫 亜紀書房 Amazon 本書は、アメリカ・ニューヨーク市にあるブロンクス動物園(正確にはWCS:Wildlife Conservation Society)で、展示グラフィックアーツ部門の…