2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

#BlackLivesMatter

黒い司法――黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-9) 作者:ブライアン・スティーヴンソン 発売日: 2016/09/24 メディア: 単行本 本書は、アメリカの大量投獄と極刑問題に迫ろうとするものである。立場の弱い人々と向…

理由

ボンベイ、マラバー・ヒルの未亡人たち (小学館文庫) 作者:スジャータ・マッシー 発売日: 2020/05/08 メディア: Kindle版 1921年のインドはボンベイ、主人公パーヴィーンはオックスフォード帰りの23歳、この街唯一の女性法律家、父の弁護士事務所に身を寄せて…

Once Upon A Time in Bordeaux

モンテーニュ 人生を旅するための7章 (岩波新書) 作者:志朗, 宮下 発売日: 2019/07/20 メディア: 新書 わが国では『随想録』などとも訳される、モンテーニュの『エセー』は、世界文学の古典であり、人生の書、英知の書として、その名前はよく知られている。…

国民精神総動員

令和日本の敗戦 (ちくま新書) 作者:田崎 基 発売日: 2020/04/07 メディア: 新書 本書では、平成期の30年余りを軸に振り返り、2012年12月以降の安倍政権の振る舞いを分析し、そして令和の日本が歩むであろう未来を見据えてみる。経済、社会、政治の現場で起こ…

遊びをせんとや生れけむ

南方熊楠 地球志向の比較学 (講談社学術文庫) 作者:鶴見 和子 発売日: 1981/01/07 メディア: 文庫 桑原武夫が評するに、「南方が個個の問題で手がたい仕事をつみ重ねつつも、全体として目立った理論体系を示さずに終わったのは、日本全体の学問的年齢がなお…

欲望の資本主義

巨乳の誕生 大きなおっぱいはどう呼ばれてきたのか 作者:安田 理央 発売日: 2017/11/18 メディア: 単行本 本書は、大きなおっぱいの魅力について熱く語る本ではないし、なぜ男性が大きなおっぱいに惹かれるのかの理由を探る本でもない。ましてや、おっぱいを…

檸檬

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫) 作者:村上 龍 発売日: 2009/07/15 メディア: 文庫 女は赤ん坊の腹を押しそのすぐ下の性器を口に含んだ。いつも吸っているアメリカ製の薄荷入り煙草より細くて生魚の味がした。泣き出さないかどうか見ていた…

舞姫

モーリス (光文社古典新訳文庫) 作者:E・M・フォースター 発売日: 2018/07/27 メディア: Kindle版 モーリスは学校でふたつの夢を見ていた。それで彼という人間が理解できるだろう。 最初の夢のなかで、モーリスはひどく腹を立てていた。正体不明の相手とラグ…

はがゆい

椿井文書―日本最大級の偽文書 (中公新書 (2584)) 作者:馬部 隆弘 発売日: 2020/03/17 メディア: 新書 椿井文書とは、山城国相楽郡椿井村(京都府木津川市)出身の椿井政隆(権之助。1770~1837)が、依頼者の求めに応じて偽作した文書を総称したものである。…

模倣の法則

ミメーシス―ヨーロッパ文学における現実描写〈上〉 (ちくま学芸文庫) 作者:エーリッヒ アウエルバッハ メディア: 文庫 ミメーシス―ヨーロッパ文学における現実描写〈下〉 (ちくま学芸文庫) 作者:エーリッヒ アウエルバッハ メディア: 文庫 文学的描写、いい…

good old days

ブッチャーズ・クロッシング 作者:ジョン・ウィリアムズ 発売日: 2018/02/26 メディア: 単行本 南北戦争の傷跡を残した1870年代のアメリカはカンザス、ブッチャーズ・クロッシングにハーバード中退の青年、ウィル・アンドリューズが父の知己を頼って訪れる。…